【CoCシナリオ】Symphony No.10 in E flat major "Ones"(キーパリング用付録付き)
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シナリオ概要 未完に終わったルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲第十番は自称秘書であり音楽家であるアントン・シンドラーによって破棄されていた。 以前からベートーヴェンの音楽技術が神の御技に近づきつつあると感じていたシンドラーは人類が到達できないように捏造、改竄を行っていた。第十番を書き終えてベートーヴェンから楽譜を手渡されたシンドラーは恐れていた事態が現実のものになったと確信した。楽譜を読み込み、脳内で再生した彼は激しい精神的苦痛を受け即座に破棄することを決定した。 だが、破棄された楽譜を回収したものがいる。ニャルラトテップだ。修復した楽譜を小さな紙片に分け、才能ある音楽家に渡していた。ニャルラトテップによって選定され、楽譜を渡された音楽家を次はトルネンブラが選定することになっている。 イギリスに拠点を置き、グラーキの黙示録第9巻を所有するチョー=チョー人はトルネンブラとヨグ=ソトースを信仰しており、スグルオの住人を呼び出すことのできる特殊な装置を作製し、トルネンブラの所在を探っていた。さらにズ=チェ=クォンを信仰するツンス率いる隠蔽されし者達(Hidden Ones)も楽譜の所在を探っていた。 時を進めて2020年。日本に住む軽音楽部所属の女子高生、島津京子は諸事情でやさぐれていた。仲良くしていた探偵事務所によく顔を出し、宿題を消化したり駄弁ったり音楽の練習をしたりと家出まがいのことをしていた。手の付けられない反抗期だったため、母親は変なところに行くよりは…。と夕方から夜にかけては探偵事務所に入り浸ることを黙認していた。だが、そんな穏やかで儚い日常は崩れ去ることとなる。島津京子が起床すると手元に謎の楽譜の紙片があったのだ!その日を境に徐々に聞こえるようになった謎の音楽は一部がその紙片のものと一致していた。音が大きくなるにつれて狂気に蝕まれ、開花していく彼女の音楽の才能は図らずしも一部の世間へ広がることになり、2つのカルトに付け狙われるようになる。日に日におかしくなっていく彼女を尻目にとある有名音楽家の捜索を依頼された探索者たちは、彼女が置かれている立場を理解することとなる。音楽家の捜索と島津京子の保護に板挟みにされた探索者たちは最終的にベートーヴェンが交響曲第九番を演奏した地、元ケルントナートーア劇場、現ホテル・ザッハーへと赴くこととなる。そこで探索者達は島津京子の演奏する第十番によって招来されたズ=チェ=クォンの精神的・肉体的苦痛に蝕まれ、両カルトの妨害を受けながらトルネンブラを引きはがし、第十番を止めることでズ=チェ=クォンを退散させることとなる。 所要時間:6~7時間程度 推奨PL人数:4~6人 KPの難易度:★★★★☆ PLの難易度:★★★★☆ シナリオを円滑に進行させるうえで注意すべき点 本シナリオは2つのカルト団体が探索者と敵対するシナリオで、探索者側から勢力図が見え辛い構成になっています。そのため、PLは少なくとも数名がクトゥルフ神話TRPGを複数回経験しており、RPや探索に長けている必要があります。また、特殊な戦闘が多いためPCが複数回シナリオを潜り抜け熟練した状態であることを想定しています。